【第2回】 「ママが幸せになるために生まれてきたんやから、ママが幸せでおらんなん」



森のこども園にこどもたちと来ているお母さんたち、あるいはかつて来ていた方に、

子育てや生活についてお話を伺います。
12月4日(日)のオープンデイでは、囲炉裏を囲んでもっとお話しできますよ。


【第2回】

Nさん(40代)

ママが幸せになるために生まれてきたんやから、ママが幸せでおらんなん

今、平日の森のようちえん部に足を運ばれているお母さんの中では、1番の長い参加歴と、1番の遠距離からの通園を誇れるNさんです。遠方より、途中お休み期間もありつつ、10年間!!参加され続けています。4人のお子さんの年齢は、上から14歳、11歳、8歳、3歳。困っている人がいる時には・・・困っていなくても真っ先に動いてくれる、いつも人のことを気にかけてくださる、優しい姉御肌のお母さんです。

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す:聞き手の鈴木
N:Nさん

す「参加のきっかけを、教えてください。」
N「サンフォルテ(のフェスティバル)?に参加した友達が写真を見て、体験に行ってきたら楽しかったってのを聞いて、体験に。(聞き手のメモ書きをチラッと見て)うまいことまとめるねぇ・・・」
す「この時代は、月1回ですか?」
N「たぶん毎週金曜日で。」
す「初めて来た日って、どんな印象でしたか?」
N「初めて来た日は、ねいの里を、すんごいロングコースでお散歩しましょうって日で。のりこさんち(園長)のTちゃんをベビーシートに乗せたやつを、他のお父さんが持って、すんごいロングコースを歩いて。7月、夏休みはいる前だったかな。だからすんごい汗だくなって。(笑)もうじき1歳をおんぶしとったから、すっごいみんな元気で、びっくりして。」
す「へー。何名ぐらいいらっしゃいました?その時って」
N「どうやろ・・・今日ぐらいかねぇ。」(この日の参加数は6家族)
す「体育会系なノリだったんですね。」
N「のりこさん、元気だよねぇ。いつもは歩かないところを歩こうって日で、ずーっとずーっと歩いて。うちの子初めて来たから、でかいアリとかも珍しくてさ、立ち止まるけど、ちょっと!進んで!ついていけない~!みたいな」
す「迷うわ~って」
N「そうそうそう。ズンズン歩いて。すごいなーっと」
す「ついていけるかしら・・・って、思いませんでした?」
N「そうだね。思いました。でも、『いつもこんなに歩いてるわけじゃない』って聞いたから。で、パスタ。きのこかなんかの。みんなでお料理して。こどもたちが全員包丁持ってやっとったから。すごいなと思って。


す「遠くから来てくださる、来たくなる、その譲れない魅力はなんでしょう?」

IMG_7184.JPGN「人、やろうねぇ。

す「人。」
N「人と・・・・人やろうねぇ。人が、いいんやろうねぇ。」
す「ここまでどれくらい?」
N「高速で1時間。1時間半かかります。人やろうねぇ・・・なんか、同じ物を求めとる人がさぁ、そう、近所に2組くらいおれば、いいかもしれんね。本当はさ。いないので。
なんか、雨降ってカッパ着てでも外で遊ばせようって友達は、いないんです。地元に。」

す「Nさんは、いつも聞き役がうまいじゃないですか。人の話に耳を傾けるとか、引き出すのが。こうやって聞いている私よりもすごいうまくて。」
N「そう・・・ですかね。わたし、いや、何か違うと思う。みんなのゆうことって、全部目からうろこみたいな・・・聞いてエエーみたいな、知らんことが聞けるから、聞きたくて一生懸命きいとるんやと思う。聞き役がうまいんじゃなくて。」


す「こどもに対して、怒ることってあります?」
IMG_7218.JPGN「あります。めちゃめちゃ」
す「4人もいたら、そりゃおこる時もあると思うんですけど、ワーッって、キーッてなった時に、受け止めるポイントみたいの、あります?自分の気持ちを、収める」
N「最近映画見てきて、“こどもが自分を選んで生まれてきた”みたいな映画を見てきて。それから・・・ここ3日ほど(笑)は、選んで生まれてきたからもー好きにさせとけばいいにかって、おもっとって。そういう風に思ったり、思わんだり。」
す「効力がいつまで持つか、みたいな」
N「そうなんそうなん。いい話を聞いては、思い出す、みたいな。でもなんか、怒ることもあるよね。人間やから。」
す「選んで来てるって私もあると思うし、怒らせるのもこどもの役割として来てる気がする。」
N「なんか私ね、たぶん人よりもこどもに怒ってしまう。その度ごめんねって言って。・・・なんか、泣けてくる~!
す「こどもは怒った時に素直に?反発する?」
N「なんかびびっとるけど、うーん。なんかその度『ごめんね』って言って・・・なんか、うまく育てられてない・・・(笑い泣)」
す「いやいや、育ってるでしょぉ~、4人も。」
N「『ごめんね』って言って、『ありがとう』、みたいな。『怒ったけどいいよ』、みたいにいつも言ってくれるから、みんなして・・・。かわいそうに。(泣)」
す「私も同じように、怒ってごめんねっていう時もあって、いや?私が謝る前に・・・『さっき、忙しいのに怒らせるようなことしてごめんね』ってこどものほうから言われて。」
N「かわいい~」
す「こどものほうができてる・・・(落ち込み)ってなったり、しますね。」

N「あ、でも外に出たら怒ることないですよね。こういう、外に出て遊んどる間って。急いで、何時までにあこに行かんなん、とかそういう時ってついつい。アレもコレもせんなんて時は怒るけど。」

す「親のね、キャパシティがいっぱいいぱいな時に。」

N「そうそう。ここにおったら、大丈夫やね。だから来るんやろうね。外にね。」



す「そんな育児の、息抜きにしているリフレッシュ方法はありますか?」

N「え~~!リフレッシュ方法は森に来ることですよ。(笑)」

す「そっか。」
N「リフレッシュ方法~なんやろねー。趣味ないねー、そう言われたらねー。」
す「なんかいつも他人に・・・尽くされてる感じがするから。必要なことを、してあげたい感じなのかなーって」
N「つくしてないから~~(照)あー。自分だけ、こども置いてさ、夜はビーチに行くとか、言うねか、みんな。」
す「みんな?へー。」
N「夜は自分の時間、みたいな。」
す「へー。でもこどもに夜一緒に寝ようって言われますよね。」
N「言うね。寝るね。あー、大した趣味ないなー。」
す「まだお子さん小さいしね。べったりだもんね。」

N「でもなんか、こどもの姿を見に行くのが、私の趣味なんです。」

す「あー、すごい。優しい。」
N「ひえ~~なんなんこれ(照)気持ち悪いな。え、リフレッシュなに?すずはる趣味なんなん?ものづくりか。」
す「それもあるし漫画読むとか・・・」
N「チャイ淹れるとか?」
す「そう、チャイ淹れるとか。ちょっとストレッチとか。」
N「・・・本を読むとかやわ。リフレッシュとかないわ。コンビニスィーツとかそういうくだらない、甘いものを食べるとか、そんなんしかないな。自分のための時間て、とってないねえ・・・。隙あらば寝たり、家事を進めておきたい。」
す「かしこい。」

す「Nさんは森にいるといつも姉御肌で頼られてると思うんですが」
IMG_6721.JPGN「姉御肌で頼られて?ないと思います。いつまでたってもすんませんって感じで。」
す「こどものころもこんな感じでしたか?」
N「んー、全然違う。私2月生まれなんで。2月生まれキャラで。周りみんなおねーちゃんで。えー、いや、なんか頼られてなくて逆にみんながしっかりしとるからさぁ。すんごいなぁと思って。尊敬してます。」
す「そうなんだ。自分が思ってるのと、人からの印象は違うもんですねぇ。」
N「えー私いつまでたっても・・・こども園何年目よって感じで。知らんことばっかりで。」
す「私からすれば、Nさんがいればみんな心強いって思ってると。何か困った時には居てくれる。」
N「えー本当??思ってないよ。Aさんがそんな感じ?」
す「そうですね。Aさんもだし。ハートの部分で頼りになる人っていう。」
N「なんかねー、すいませんこんなんでっていう感じやけど。」

す「こどものころはどんな遊びをされてましたか?」
N「外でもあそんどったけど、身近に山がなくて。こども園に来てはじめて山で遊んだん。海が近くて、海であそんどったから。山知らんくて。自然に触れて遊んだことがなかったんやね。普通にコンクリートのとこで遊んどった。チョウチョつかまえて、コップに入れて、白い粉手に付けて・・・とかそういう。」
す「手元の自然で。」
N「そう、手元の自然で、できるだけのことをしとったね(笑)。おしろいばなつぶして顔に塗るとかね。そんなくらいしか。何して遊んどったやろね。あ!タイサンボクの樹があって、そこに登って基地みたいなんつくっとった。たいして(自然への)ルーツないん。“山で遊んでたからこどもにもそうさせたくって”って人が、うらやましい。」
す「でも海は遊んでた?」
N「海はね。テトラポット飛んだり石投げたり、海に流れ着いたものでままごとしとったね。なんか、きたない(笑)。ゴミで遊んどった」
す「でも海に流れ着くものって面白いものいっぱいありますよね。大人になっても、イイ物ないかつい探しちゃうけど。」
N「うん、海におった。ずーっと。海で泳いで。」


す「家事のマイルールとかありますか?」

N「・・・・・ない!

マイルールないなぁ・・・残念やなぁ・・・マイルールとかある?(そばにきたKさんに振る)」
K「へっ?おふろよりごはんが先とか?」
N「ひとが言ったらそれならって思いつくかも」
す「(第1回目インタビューの)ゆきこさんは、やった時についでに片づけるっていう。私は曜日かなぁ。ゴミ捨てのある日に、トイレの掃除をした布をそのまま捨てに行けるようにしている。」
N「あー、えらいね、そういう・・・全然ないわ。魚をさばくのは生ごみの前の日とかそういう感じね。でもゴミの前の日じゃなくても、魚が来たらやっちゃうよね。」
す「じゃああんまり、こだわらないでやる。こだわらない方が楽なんだ。」
N「決めてないし、決めたら楽なんだろうけど。見直したらいいねって、今気づきました。」
す「すみませんなんか。」
IMG_7247.JPGN「あ!!あれしたよ、こどもの服を全部、110,120,130,140って分けて、上とズボンと分けて箱を作った!!」
す「おお、結構細かいことしてる」
N「だってもうすっっごい毎回ひどくて4人もおるから!」
す「そうだわ、これ誰の?ってなるね」
N「衣替えは作ったね、マイルール。季節終ったらそこに入れてくだけ。でもうちは上から3人回すからか。あんまりよそには当てはまらんかも。」

す「最近人に言われた・読んだ・聞いたなどで元気の出る一言を教えてください。」
N「うーん・・・今すずはるに・・・意外な一言をもらったことやね。人が見たがと自分が思うとるのと違うよねって。
さっきの、親を選んで生まれてきたっていう映画、みたんね。11歳のRも一緒にみて。『選んできてくれたんやなと思ったら嬉しかったよ』って話をしたら、『ママも、あのばーちゃんを選んだんやね』って。なんか、親を幸せにするために選んでくるんやって。『Rが生まれてくれて幸せやから、Rはその役目果たしたねー』って言っとったら、ふと『ママ、ばーちゃん幸せにしたんやろかー』って、思って。Rが『孫、生んだにか。』って。だから役に立っとるよって。

『Rたちはママが幸せになるために生まれてきたんやから、ママが幸せでおらんなん。』って。まず自分が幸せになれって、こどもが言ったもんでびっくり。そうやなあ、と思って。

遠慮せんとおいしー肉とかまず自分が食べようかな(笑)違うか。ハハハハ!」


す「最後に壮大な質問で、どんな世の中になったらいいと思いますか?」
N「ソレはナニのアレで・・・なんのアンケートなん?」
す「(笑)」
N「みんなが、ひとのためにって、ひとりひとりが思って・・・思い合う。世の中になったら。そしたらさ、みんなが思いあったら、戦争とかケンカとかならんよねーと思って。そうなるよね。ひとりひとりがそう思えばいいだけやねか。」


インタビュー終了後、第1回のゆきこさんが少し考えこまれておられた、クリスマスの過ごし方についてNさんにもお聞きしました。ファンタスティックな楽しい過ごし方を教えてくださいました。


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『クリスマスは、わが家にはサンタが毎年ピンポンしてきます。
玄関に出ると、プレゼントがおいてあって、サンタの姿を見ることはありませんが、
長女と長男が、あわてて追いかけたらソリらしきものと、赤い何かをみたことがあります。

みんなでケーキとチキンを作ってたべて、ダンスパーティーしたりじゃれあったりして
ハイテンションになった頃がそのタイミングなので、みんな 玄関を気にしてて、
だいぶドキドキしながら何度も見に行きます。

こわいと言って、 剣やほうきの棒をもっておっかなびっくり見に行きます。
プレゼントがおいてかる辺りが青白く光ってる年もあり、いつもみんな大興奮です。

子供達は、年に一度だけ願い通りのプレゼントが届くので
クリスマスをとってもとっても楽しみにしています。』

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(2016,11.24)

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